被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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41 事例2-3 観光部門と連携した新商品開発と販路拡大による復興 宮城県気仙沼市 1.観光業との連携した加工食品の高付加価値化の取り組み 2.消費者に近い川下への取り組み強化による新たな販路展開 3.世界市場を見据え、大手流通企業の要求に応えられるHACCPの取得 株式会社阿部長商店 1968年設立'創業1961年(、従業員数512人'2013年12月末現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 気仙沼市の㈱阿部長商店は、1961年、鮮魚仲買業として個人創業した。水産事業部は、気仙沼や大船渡に水揚げされるサンマ、カツオ、マグロ、サケ等を買い付け、冷蔵・冷凍品として全国に出荷するとともに、これらの魚を原料とした様々な水産加工品を製造、販売している。観光事業部は1971年に関連会社朝日観光㈱を設立し、翌1972年南三陸ホテル観洋を開業する等地域の6次産業化の先駆けとなり、現在、南三陸ホテル観洋、南三陸プラザ、サンマリン気仙沼ホテル観洋、気仙沼プラザホテル等での観光業を行っている。 '2(バックグランド'背景( 当社は、今次震災で当社及びグループ会社が岩手、宮城両県に有していた9工場のうち8工場が被災し、大きな被害を受けた。一方、当社ホテルは高台で被害が尐なく、被災者の受け入れを行った。当社は、被災後、従業員を解雇せず操業再開に取り組み、2011年7月に気仙沼市内最大級の水産物直販施設である「気仙沼お魚いちば」を営業再開し、2011年7月に大船渡食品(工場)を再稼働している。その後、気仙沼において工場の一部操業を再開している。 '3(チャレンジ'挑戦( 当社は、震災前より、国内の魚需要の減尐による国内マーケット縮小に危機感をもっていた。このため、当社 は、輸出と新商品開発に取り組んでいた。輸出では、食品製造に係る衛生管理の国際基準であるHACCPの導水産物輸出の取り組み国内魚需要の減尐課題課題への対応震災後の販路減尐新販路の必要性大手流通業対応と輸出可能性水産業流通システムの問題水産物付加価値の低さ震災後の商品開発の必要性新たな販路模索マーメードシリーズの商品提案地域でのHACCP対応首都圏販路、直販の取り組み川上、川下連携の取り組み観光部門と連携した調理済総菜開発展望本格実施準備構想・計画3.11被災後いち早く復旧した大船渡食品

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