被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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27 ビュッフェダイニング ビュッフェダイニング 事例3-9 全国への恩返し~絆がもっと深くなるビュッフェダイニング~ 福島県郡山市 1.温泉旅館経営合理化・効率化を目的とした調理部門改革の実施 2.調理部門の改革をベースにした福島産食材利用のビュッフェダイニングの運営 3.震災後の「フード・アクション・ニッポン」を活用した改革の継続と情報発信 株式会社栄楽館 1991年設立、従業員数 245人'2013年11月末現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 郡山市の㈱栄楽館は、1930年福島県の磐梯熱海温泉にて「栄楽旅館」として創業、1961年有限会社化、1991年株式会社化した。現在、「萩姫の湯栄楽館」(部屋数54室、収容人数224名)を母体とし、1988年「ホテル華の湯」(部屋数162室、収容人数888名)建設、1994年に買収した「湯のやど楽山」(部屋数20室、収容人数87名)の3館を運営している。 '2(バックグランド'背景( 調理部門は温泉旅館を経営する上で、コストがかかり、また旅館の魅力の大きな要素である料理を充実させる前提となる部門であるため、その合理化、効率化は重要な課題である。そこで、当社は温泉旅館経営の合理化、効率化に取り組むべく2006年に華の湯で「配膳システム」を導入するなど、調理場改革を実施した。これは、連続する工程間の仕掛在庫を最小にするため、かんばん(指示書)の受け渡しを行うかんばん方式を旅館の調理場に導入するものである。具体的には、まず、今まで個々の調理人に任されていた料理メニューのレシピ化し共有化した。次に和食、洋食、中華といった調理人の分業縦割体制を廃止した。このことにより、専門別に分かれ非効率だった調理作業を効率化するとともに、料理人以外でできることをパートに分担させることにより合理化が実現した。この結果、コストを大幅に削減できた。厨房改革の成功を受け、フレキシブルな調理が可能となったことから、2010旅館の調理部門の非効率課題課題への対応ビュッフェダイニング継続困難全国への情報発信の必要性旅館の食事の魅力アップの必要性福島県産品利用促進の必要性風評被害克服による個人客回復の必要性調理システム改革実施フード・アクション・ニッポン応募による改革継続全国産地の発酵食品事業者と連携、「華カレー」の開発・販売直売所と連携する共存型調理スキーム食育教育実施、福島産品メニューレシピ配布地産地消ビュッフェダイニング実施展望本格実施準備構想・計画3.11「萩姫の湯栄楽館」のロビー

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