被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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123 事例2-12 市民が主役のTMO~新しいかたちのまちづくり~ 宮城県石巻市 1.市民による街づくり復興ビジョンの作成とその実現に向けたプロジェクトの数々 2.企画・運営事業で収益性を確保しつつ、公益的な役割を担う街づくり会社 3.身の丈にあった開発計画を志向するタウンマネジメント 株式会社街づくりまんぼう 2001年設立、従業員数20人'2013年3月末現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 石巻市の㈱街づくりまんぼうは、同市の中心市街地の活性化のみならず、広く公益的な立場で「まちづくり」、「産業振興」、「人材育成」に関わる事業を実施し、石巻市全体の活性化に貢献することを目的としたまちづくり会社である。当社は2001年の創業以来、無借金経営を続けており、純民間の事業実施型TMO(Town Management Organization)の成功事例として全国から注目されていた。 当社は現在、市の文化施設「石ノ森萬画館」の管理運営業務ならびにそのコンテンツを活用したグッズ販売、イベント企画・運営業務などの収入事業と、中心市街地活性化事業や地域復興事業などの公益事業を営んでいる。震災による津波ですべてがリセットされてしまった石巻において、当社は「災害復興と中心市街地活性化」という困難なテーマにTMOとして挑戦し続けている。 '2(バックグランド'背景( 石巻市の商業環境はモータリゼーションの進展に伴い、中心部の道路や駐車場等の都市基盤整備が立ち遅れ、大型店が郊外に立地するようになったため、中心商店街の空洞化が顕著となっていた。そこで1999年3月に石巻市と市民が策定した「石巻市中心市街地活性化基本計画」のコンセプト「浪漫商都ルネッサンス=マンガ的発想が人を呼ぶ街づくり」に基づいて、石ノ森萬画館を中核施設として「元気な賑わいのある街づくり」を推進することとなった。そのために、企画調整・事業実施型TMOを立ち上げ、TMO自らが事業を実施して収益を確保し展望本格実施スプロール化復興ビジョンの実現中心市街地活性化の必要性課題課題への対応中心市街地全体の活性化「医療特区」との連携「川沿い地区まちづくり計画案」の作成「まちなか復興ビジョン」の作成コンパクトシティいしのまき・街なか創生協議会の設立既成市街地の再編の必要性津波被災による人口流出の加速企画調整・事業実施型TMOの設立新しい賑わいの創出の必要性関係者の利害調整・団結TMOの資金力強化まちなか再生特区特例措置'出資の所得控除(種類株式の発行事業スキームの構築ハード整備に合わせたソフトプロジェクトの展開身の丈にあう計画準備構想・計画3.11石ノ森萬画館の外観

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