被災地での55の挑戦 ―企業による復興事業事例集―
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117 事例2-15 衣料品補修から「お直しコンシェルジュ」へ 宮城県仙台市 1.「売る」を科学する'独自の目標管理と経営管理の仕組みづくり( 2.人材確保・育成の新たな取り組み'独自の研修とダイバーシティの取り組み( 株式会社ビック・ママ 1992年設立、従業員数150人'2013年3月末現在( 事例の概要 '1(プロフィール'概要( 仙台市の㈱ビック・ママは、衣料品・バッグ、靴・アクセサリー修理とクリーニングを行うお直しコンシェルジュ「ビック・ママ」を東北、首都圏中心に60店舗展開している。当社の戦略は小型店舗を地域で多数出店し、地域ドミナントを築くものである。当社の守五嘉朗社長は父親の経営する衣服直しの家業を継ぎ、スーパーに納めていたビジネスモデルを一般消費者向けの小型店舗に転換した。当初から現在のビジネスモデルがあったわけでなく、生き残るために試行錯誤でやり、課題克服を前向きにしてきた結果、現在のビジネスモデルに行きついた。 '2(バックグランド'背景( 当社と同業他社との違いは、「売るを科学する」ことである。これについては社員と徹底的に話し合ってきた。売上=数量×単価であるから、よい立地、よいスタッフ、よい接客により、単価を下げずにリピーターを確保することで、お客様の数を増やすことにつきる。接客では、何か感じのよいことをさせるようにしている。具体的には、接客の言葉をマニュアル化し、お客様のもちものを必ず1ヶ所ほめる、「大切にお預かりさせていただきます」と言うというようなことを徹底し、感謝を示すことが苦手な若いスタッフでも接客できるようにしている。 集客の目標は、1年4回の来店である。割引券、メンバーズカードを渡す、気持ちのいい接客をすることで、顧客の背中を押し、リピーターになってもらうことを目標としている。これら接客活動については、きちんと対応しているか計測している。具体的には、①従業員がメンバーズカードを何枚くばっているか、②何枚もどってくるか(接客のよしあしのバロメータである)。よい接客活動は売上上昇につながっている。これは、接客活動の個人ランキング、店舗データでわかる。大切なことは、「あたりまえのことをできるようにするにはどうするか」ということであり、これについては、従業員の表彰や店長会の開催、臨店検査等いろいろな方法を試し、日夜努力している。生産性をあスキルのある労働力不足震災後のより一層の労働力不足震災後のより一層の競争激化「売る」を科学する東京進出ダイバーシティの取り組み消費向けビジネスの競争激化人口減尐による需要減尐店舗間移動システム構築一般消費者向け小型店舗開発目標管理による労働インセンティブ向上独自の研修システム展望本格実施準備構想・計画3.11課題課題への対応守井嘉朗社長'右写真(

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